東京猫医療センター 服部幸先生が語る「猫と防災」

東京猫医療センターの服部幸先生による熊本地震支援チャリティー講演会

東京の猫専門病院「東京猫医療センター」。院長の服部幸先生は先日TVの「情熱大陸」に出演するなど話題の獣医師です。29日、服部先生が熊本地震の支援で「猫と防災」をテーマにチャリティー講演会を開催。猫専門医ならではの役立つ情報が盛り沢山でした!

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忘れていませんか?熊本地震から1か月

4月17日公開の記事より

4月17日公開の記事より

熊本県や大分県を中心に激しい地震が相次いだ「平成28年熊本地震」から1か月が過ぎました。

ライフラインも徐々に復旧し避難所も集約されるなど、徐々に「復興」の兆しが見えてきてはいるものの、被災地の熊本県益城町ではり災証明書の発行が遅れているなどまだ多くの課題があります。

被災ペットを救おう!熊本の竜之介動物病院に支援を

2016.04.17

いがモバは地震直後に熊本市で被災ペットを受け入れている「竜之介動物病院」を支援させて頂き、地震直後の被災ペットの厳しい現実をお伝えしました。

東京で熊本地震支援のチャリティー講演会を開催!

「服部幸熊本震災支援チャリティー講演会」のポスター

「服部幸熊本震災支援チャリティー講演会」のポスター

震災時のペットが厳しい状況に置かれることを改めて再確認し、いがモバは何か熊本のペットに関する支援ができないか模索していました。

そんな時、熊本地震の支援でペットに関するチャリティー講演会が東京で開催されることを知りました。

チャリティー講演会は猫グッズの人気通販サイト「猫壱」(ねこいち)を運営するD-culture(ディーカルチャー)株式会社が支援していて、いがモバの竜之介動物病院の記事を広報の方に読んで頂いたご縁もあり、取材させていただく事になりました。

猫グッズの人気通販サイト「猫壱」のHP

会場は「本の街」東京・神保町

会場の東京・神保町の東京堂書店の外観

会場の東京・神保町の東京堂書店の外観

チャリティー講演会が開かれたのは「本の街」として知られる東京・千代田区の神保町(じんぼうちょう)。

東京堂書店の6階にある「東京堂ホール」が会場となりました。

超満員の会場・熊本地震への高い関心

満員の会場

満員の会場

会場の東京堂ホールは約100名の参加者で超満員。

定員を超す応募があったそうで、首都圏においても熊本地震の支援に強い関心がある事が分かります。

情熱大陸にも出演!東京猫医療センター・服部 幸院長が講演

東京猫医療センターの服部幸先生

東京猫医療センターの服部幸先生

この日講演を行ったのは、東京・江東区にある猫専門病院「東京猫医療センター」の院長・服部 幸(はっとり・ゆき)先生です。

日本では珍しい猫専門病院で最先端の医療を行う服部先生の取り組みは各種メディアにも取り上げられ、4月24日にはMBS系列のドキュメンタリー番組情熱大陸」に出演するなど、服部先生は今注目の「猫専門医」なんです。

服部先生のプロフィールはこちら
(東京猫医療センターのHP)

猫専門医・服部先生が語る「猫と防災」

講演会のテーマは「猫と防災」

講演会のテーマは「猫と防災」

この日のチャリティー講演会のテーマは「猫と防災」

会場に来た方の殆どがペットとして猫を多頭飼いする現状の中で、将来の首都圏直下型地震に「備える」事が大事だと服部先生が語ります。

震災時の迷子問題には「マイクロチップ」が有効

猫にマイクロチップを入れる様子

マイクロチップを入れる様子

2011年の東日本大震災・そして先月の熊本地震では、地震の際に逃げ出して迷子になってしまったペットが多くいました。

首輪を付けさせてくれる子であれば迷子になった時も見つかりやすいのですが、身体の柔らかい猫では首輪が取れてしまう事もあります。

そこで服部先生が紹介したのが「マイクロチップ」を体に埋め込む方法です。

身体に異物を入れるのはかわいそうですが、実際のサイズは針の中に入るほど小さく、身体に入れる時の痛みも一瞬で治まるといいます。

マイクロチップにもデメリットがある

マイクロチップにもデメリットがある

一方、猫専門医の服部先生ならではの話も。

マイクロチップを埋め込む首元に何らかの病気が発生した場合、MRIやCTスキャンした際にマイクロチップが邪魔をして正常なデータが取れない場合があるといったデメリットが紹介されました。

ただ、マイクロチップが入っている子は迷子になった時に飼い主が見つかる確立が約10倍にもなるそうで、震災への備えと愛猫の健康をじっくり考えて決める必要がありそうです。

「猫用避難袋」のすすめ

「猫用避難袋」のすすめ

「猫用避難袋」のすすめ

次に紹介されたのが震災時に備えた「猫用避難袋」です。

普段食べているフードや薬のほか、参考になったのが「猫の写真」を入れておくという事でした。

避難所などで迷子になってしまった場合、その猫の特徴を色で伝えるのは限界があります。「顔のアップ」と「身体全体」の2枚の写真を避難用の袋に入れておくと良いというのはとても良いアイデアだと思います。

避難用食器は軽いものを

避難用食器の条件

避難用食器の条件

普段ペットの猫に陶器の器で食事をあげている人は多いと思います。

ところが震災時には陶器は割れてしまうので、避難袋に入れるものは陶器の物は避けた方がよいとの事でした。

熊本地震の際を思い返すと、竜之介動物病院に持って行った支援物資の食器も金属製のものにしたので、震災時という観点では判断は間違っていなかったと安心しました。

普段からペットの健康日記をつけよう

猫の「健康日記」

猫の「健康日記」で客観的情報を

服部先生がおすすめしていたのが、平時から定期的にペットの「健康日記」をつける事でした。

震災時、ペットが体調が悪くなった時にいつもと違うお医者さんに診てもらう際にはカルテがありません。そんな時に「健康日記」があれば食欲の有無・体重の増減・便の状態などを客観的に比べる事ができます。

投薬を受けている場合は「お薬手帳」もあると備えになるとの事です。

今回の熊本地震の場合も物流がストップし、動物用の医薬品が入ってくるまでは時間がかかっていました。かかりつけの先生に相談して、普段飲ませている薬を常備しておくのがよさそうです。

避難時は「軽い」事が最優先

猫壱で販売中のポータブルゲージは軽量で避難時にも便利

猫壱で販売中のポータブルゲージは軽量で避難時にも便利

震災時に避難する際、ペット用のゲージも持っていく事ができれば便利ですが、重い物では避難の際に邪魔になってしまうので本末転倒ですよね。

そこで服部先生は、猫壱などで販売している「ポータブルゲージ」をおすすめしていました。

ゲージを折りたたむとコンパクトに

ゲージを折りたたむとコンパクトに

猫壱などで販売している「ポータブルゲージ」はとても軽く、折りたたんでコンパクトに収納する事ができます。

お出かけの際に便利なグッズですが、震災時にも役立つ便利なグッズなので、ひとつ持っておくといざという時に役立つと思います。

猫壱のポータブルゲージはAmazonや楽天などで5000円前後で販売しています。同じシリーズでキャリー(約2000円)やトイレ(約1000円)も販売中なので、セット購入しておくと安心ですね。

by カエレバ

猫用避難袋に入れるおすすめの物まとめ

猫用避難袋に入れるもの一覧

猫用避難袋に入れるもの一覧

服部先生からは「猫用避難袋」にいれるおすすめの物のまとめが紹介されました。どれも震災時に避難所などで役立つものなので、参考にしたいと思います。

猫用避難袋に入れるものまとめ

  • キャットフード(アレルギー食の子は特に準備を)
  • 食器(陶器は避ける)
  • 写真(顔と体全体の2枚)
  • 健康手帳
  • 常備薬
  • ポータブルゲージ
  • ネコ砂(軽い物でも可)
  • ペットシーツ
  • ポータブルトイレ
  • ブラシ/コーム(避難所で毛を飛ばさないように)
  • バスタオル
  • ガムテープ
  • ビニール袋(排泄物の処理など幅広く使える)

避難に備えてゲージに入れる練習を

ゲージを嫌がる子は布で包んで入れる

ゲージを嫌がる子は布で包んで入れる

動物病院に連れて行くときなど、ゲージに入るのを嫌がる子も多いですよね。ただ、緊急時はゲージに入れないと避難する事もできません。

足を押さえて入れる方法でも上手くいかない場合には、タオルや毛布などを体の上から覆って、顔を隠したまま布ごとゲージに入れるという方法が紹介されました。

このほか、緊急地震速報を聞くと逃げ出してしまう子がいるので、普段からテストで聞かせてその後におやつをあげるなどして、少しずつ慣れさせていく事も有効だという事なども紹介されました。

服部先生も竜之介動物病院の取り組みに注目

竜之介動物病院がペット同行避難所に(4月17日撮影)

竜之介動物病院がペット同行避難所に(4月17日撮影)

震災時には避難所の中にペットを連れていけないという状況が起こります。

服部先生もこの事にとても注目していて、講演の中ではいがモバも取材した竜之介動物病院のペット同行避難所や一時預かりの取り組みに触れ、震災時はペットの預かり先を探すことも重要になってくると紹介していました。

熊本市の竜之介動物病院では現在も被災ペットの一時預かり・治療を継続しています。現在は避難所を回って被災ペットの支援をする活動も行っています。今後とも皆様のご支援を宜しくお願い致します。

竜之介動物病院のHP

震災後のストレスで体調を崩す事も・体調の変化に注意を

東日本大震災の1~2か月後にストレスによる症状が出る猫も

東日本大震災の1~2か月後にストレスによる症状が出る猫も

2011年の東日本大震災では東京でも強い揺れを観測し、その後も余震が続きました。

服部先生が当時勤めていた病院では地震発生の1~2か月後にストレスが原因とみられる症状をかかえる猫が多く来たそうです。

真摯に訴えかける服部先生

真摯に訴えかける服部先生

ただ、服部先生はこの「ストレス」という言葉にも警鐘を鳴らします。

「すべての病気が地震のストレスが由来ではなく、それらの症状に隠れて大きな病気が進行してしまっている場合もある」

全てを「ストレス」として片付けるのではなく、大きな体調の変化が続くようであれば別の病気の可能性もあるので、その際には動物病院に連れてきてほしいと注意を促しました。

震災直後は人間自身も気が張ってイライラしがちですが、普段通りにペットと向き合う事がとても大事だと感じました。

服部先生の講演会はここで終了。猫専門医としての立場から見た防災の実践的なアドバイスが盛りだくさんで、すぐに役立つ素晴らしい講演でした。

講演の受講費は「財団法人ペット災害対策推進協会」に全額寄付

講演料は(財)ペット災害対策推進協会に全額寄付

受講費は財団法人「ペット災害対策推進協会」に全額寄付

今回のチャリティー講演の受講費(1人2222円)は、財団法人「ペット災害対策推進協会」に全額寄付されます。

服部先生もどこに寄附をしようか悩まれたそうですが、できるだけ公平で公共性のある団体を選んだそうです。

詳しい活動の様子は公式HPがあるので是非ご覧下さい。チャリティーの参加者の一人として、この団体を通して熊本地震の被災ペットの支援に有意義に使っていただけることを願っています。

財団法人「ペット災害対策推進協会」のHP

服部先生の思いが多くの人に届くよう いがモバも応援!

服部先生といがモバ

服部先生といがモバ

講演会の終了後、服部先生の執筆された本のサイン会が行われました。服部先生は気さくに記念撮影にも応じて下さいました。

いがモバ自身も自宅でペットを飼っている身として、今回の熊本地震は震災時のペットの環境を深く考えさせられる機会となりました。

自分の見てきた被災地の厳しい現実を服部先生にお伝えするとともに、服部先生の熊本への思いが一人でも多くの人に伝わるようにこれから先生の活動を応援していきたいと思います。

服部先生は6月下旬に新しい著書「ねことわたしの終活手帳」を出版されます。アマゾンで先行予約ができるので、こちらもぜひチェックしてみて下さいね。

by カエレバ
いがモバ
偶然にも服部先生が出演された情熱大陸をテレビで拝見していたので、今回のチャリティー講演会を取材する機会に恵まれ大変ありがたく思います。服部先生、D-culture株式会社の皆様に心から感謝申し上げます。微力ではありますが、いがモバではこれからもブログを通して熊本地震の支援活動を継続していきます。今後もぜひご覧下さい。
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ABOUTこの記事をかいた人

LCC STYLE編集長・メディアディレクター 五十嵐 貴文

元報道ディレクターの経験と持ち前の行動力を活かしLCC・格安航空会社や格安スマホなど「コスパ時代のお得」を共通のテーマに取材。日本初LCC専門ポータルサイト「LCC STYLE」編集長、ANA動画ニュース「ANA TV」監修、中部国際空港LCCポータルサイト監修。雑誌「MONOQLO」・NHKラジオなどマスメディアにも出演。書籍「LCCスタイル」(ゴマブックス社)はamazon旅行ガイド部門で1位を記録(2017年4月21日付)。