民事再生手続きを終え、新しく生まれ変わった「スカイマーク」。ユナイテッドアローズ監修の新制服でイメージも一新。預け荷物や座席指定・決済手数料が運賃に含まれ、便によっては総額がLCCより安い事も。今注目の新生スカイマークの搭乗レポートを紹介!
民事再生を終え生まれ変わった「スカイマーク」

スカイマークのボーイング737-800型機(神戸空港にて)
きょうのいがモバは、いつものLCCではなく「元祖格安航空会社」のスカイマークについての記事をお届けします。
1998年に日本の空に誕生したスカイマーク。2015年に経営難により民事再生法の適応を申請し、投資ファンドの「インテグラル」やANAホールディングスの支援により2016年3月に民事再生手続きが終了しました。
現在は「新生スカイマーク」として新しい経営目標を掲げ、元気に日本の空を飛んでいます。
ご存じの通り、いがモバは普段はLCCばかり乗っているのですが、最近スカイマークがお得な場面が増えてきているんです。
実はLCCより安い便も!ジェットスターと比較

スカイマークとジェットスターの東京~鹿児島間の運賃を比較(1月9日時点の1月17日の運賃)
では実際にスカイマークがお得なシーンはどんな場合なのかを紹介したいと思います。
2017年1月9日(月)に翌週17日(火)発のスカイマークの羽田→鹿児島線の運賃を調べてみました。すると、午前7時55分発のBC301便が「いま得」運賃で7990円でした。この金額には20キロまでの預け荷物と座席指定、空港使用料、決済手数料が含まれています。
一方、LCCのジェットスター・ジャパンの成田→鹿児島線の運賃を調べてみると、ほぼ同じ時間帯の午前8時10分発の便が運賃6190円・成田国内線使用料380円・決済手数料500円の合計7070円でした。
ただ、ジェットスターの場合は預け荷物・座席指定は有料になるので、同じ20キロの荷物を預けて(+1400円)、事前の座席指定(+460円)をした場合は1860円プラスされて合計8930円とスカイマークの運賃より高くなってしまうんです。
ある程度荷物がある時は、時間帯はほぼ同じで運賃が安いスカイマークを使った方がお得な場合もあるという訳なんです。スカイマークは羽田発着なので交通アクセスも有利ですよね。スカイマークはLCCをかなり意識して戦略的な運賃設定をしていると思われます。
(逆にジェットスター・ジャパンはLCCなのだからもっと頑張ってほしい。。。)
新生スカイマークに乗ってみた!羽田のカウンターは1タミ

羽田空港第1ターミナルのスカイマークのチェックインカウンター
そんな訳で、LCCよりお得な事が増えてきているスカイマークに実際に乗ってみる事にしました。
2016年12月5日、いがモバは羽田空港の第1ターミナルへ。スカイマークのチェックインカウンターは北ウイングの奥にあります。
スカイマークはANAホールディングスの支援を受けていますが、羽田では2017年1月現在も引き続き第1ターミナルを使用しています。2タミではないので注意してくださいね。

自動チェックイン機で座席指定(WEBで事前指定も可能)
ズラリと並んだ自動チェックイン機で手続きを行います。ウェブで事前に座席を選んでない場合はここで好みの席を選ぶ事ができます。これも運賃に含まれているので嬉しいですよね。
預け荷物がある場合は荷物に付けるタグも印刷されます。
スカイマークの荷物の制限は?

スカイマークの機内持ち込み手荷物の制限について
スカイマークの機内持ち込み手荷物の制限は身の回り品(ハンドバッグ・カメラ・傘など)のほか、容積が55×40×25cm以内、3辺の和が115cm以内で、重量が10キロを超えないもの1個までです。
機内持ち込み手荷物の制限はLCCとあまり変わりませんが、預け荷物は20キロまで無料で預けることができるので、大きなものは事前に預けることができます。LCCに乗りなれていると、ここはとてもありがたいポイントです。
スカイマークの預け荷物の制限
- 無料手荷物許容量 1人20kgまで無料
- 超過手荷物料金 20キロ超~100キロまで(1つあたり32キロまで)
10kgごとに1,000円 - サイズ 50cm×60cm×120cm以内
- 個数制限無し

BC301便羽田発鹿児島行きの搭乗開始
午前7時40分、スカイマークBC301便・羽田発鹿児島行きの搭乗が始まりました。
ゲートで搭乗券のQRコードを読み取る仕組みです。いつもと違うのでちょっと緊張します(笑)。
新生スカイマークはB737-800型機のみで運航

スカイマークのB737-800型機
こちらがスカイマークが使用しているボーイング737-800型機です。日本のLCCでは春秋航空日本も使用している機材です。
スカイマークの歴史を振り返ると、過去にボーイング767-300ER(1998年~ 2009年)やエアバスA330-300(2014年~ 2015年)も運航していましたが、現在はこの737型機に統一しています。
就航は叶いませんでしたが、エアバスA380型機でニューヨークなどに飛ばす計画は夢がありましたね。。。今後は国際線のチャーター便も運航する計画もあるそうなので、羽田の深夜早朝の時間帯を使った国際線を実現してほしいですね。
スカイマークのB737-800型機の機内

スカイマークのB737-800の機内
スカイマークのボーイング737-800型機の中に入ると、明るい機内がとても印象的です。
スカイマークはレカロ社のシートを座席に使用

スカイマークのB737-800型機のシート
スカイマークの明るい機内を印象付けているのが、こちらのベージュ色の座席。シートはレカロ社が製造を担当しています。
そして気になるのが足元の広さですよね、さっそくチェックしてみましょう。
スカイマークの足元の広さは?

スカイマークのB737-800型機の足元の空間
身長175センチのいがモバがスカイマークのB737-800型機の座席に座ると、握りこぶし約2個分のスペースがありました。LCCの多くが握りこぶし1個分なのと比べると広々しています。
LCCと座席数で比較してみると、同じB737-800型機を使用しているLCC春秋航空日本が189席なのに対し、スカイマークは177席で足元がその分広くなっています。
そしてスカイマークには前方1・2列目、15・16列目に更に足元の広い「足のばシート」の設定があります。追加料金が1000円かかりますが、機内のドリンクが無料になるなど付帯サービスもあるので、より快適に移動したい方はぜひ当日空港カウンターで希望してみてくださいね。
スカイマークの「足のばシート」
- 設定:1・2列目・※15・16列目
※15列目はリクライニング不可・非常口座席は満15歳以上・緊急時の補助が可能な人限定 - 料金:1,000 円(税込)
- 利用方法:各空港のスカイマークカウンターにて「足のばシート」希望を伝える
「足のばシート」のサービス内容
- 通常座席より 15cm~38cm 足元の広いシート
- 搭乗口での優先搭乗
- 機内でソフトドリンクが1 杯無料
- 預け荷物を優先的に返却できるよう目印のタグを取付
春秋航空日本と同じ「ボーイング・スカイ・インテリア」仕様の機材も

この日の機体はボーイング・スカイ・インテリア仕様だった
この日いがモバが乗ったスカイマークBC301便は、天井のLED照明が印象的な「ボーイング・スカイ・インテリア」仕様でした。
この仕様はLCC春秋航空日本でも採用しているので、おなじみの方も多いと思います。宇宙船っぽいですよね。

午前8時15分すぎ BC301便鹿児島行きが離陸
そして午前8時15分すぎ、スカイマークBC301便鹿児島行きが離陸しました。いざ出発です!

離陸から約15分でシートベルトサインが消灯
飛行機はグングン上昇し、離陸から約15分でシートベルトサインが消灯。ここから機内サービスが始まります。
さあ、スカイマークはLCCとはどう違うのでしょうか?
あると嬉しい毛布の貸し出しが無料

毛布の無料貸し出しサービスを行う客室乗務員
まずスカイマークの客室乗務員は毛布の貸し出しを行いました。もちろん無料です。特に夏場は冷房が効きすぎていたりすると毛布があると助かりますよね。LCCに慣れていると毛布の貸し出しは新鮮に感じました。
写真では分かりにくいですが、CAさんは去年11月にリニューアルした新制服を着用していました。新制服はユナイテッドアローズが監修していて、濃紺を基調に黄色のラインが入ったシックな制服です。パッと見はスターフライヤーみたいで、以前のポロシャツと比べるとかなり高級感があります。制服によって企業イメージもずいぶん違って見えます。
スカイマークと言えば、A330型機の就航を記念したミニのワンピースの制服もありました。今思えば迷走していたのかもしれませんね(遠い目)。

何かを配る客室乗務員
毛布の貸し出しが一巡すると、客室乗務員は何かを配り始めました。
スカイマークは機内でキットカットを無料配布

スカイマーク限定オリジナルデザインの「キットカット」を無料配布
配っていたのはなんとネスレの「キットカット」。
スカイマーク限定のオリジナルデザインで、乗客全員に無料で配られます。ちょっとしたことですが、機内でホッコリできるチョコは嬉しいですよね。
お待ちかねの機内販売タイム

離陸から約25分後に機内販売を開始
キットカットを食べて「ちょっと飲み物が欲しいな」と思っているタイミングでドリンクなどの機内販売が始まります。
スカイマークさん、商売上手ですね(笑)。
スカイマークの機内販売のメニューは?

スカイマークの機内販売メニューその1
気になるスカイマークの機内販売のメニューを紹介します。まずはネスカフェとスカイマークがコラボした「SKY CAFE」のメニューから。
- ネスレ キットカットミニ(無料配布)
- ネスカフェ ゴールドブレンド(2時間以上の便で無料提供※)
- ネスカフェ フラジール 100円
ネスカフェが無料提供されるスカイマークの路線
- 羽田~那覇
- 福岡~札幌
- 茨城~那覇
- 名古屋~那覇
- 神戸~那覇 など

スカイマークの機内販売のメニューその2
続いてその他のソフトドリンクとアルコール・おつまみのメニューです。以下のメニューがあります。
- コカ・コーラ 100円
- クリスタルカイザー 100円
- お~いお茶 100円
- トロピカーナ(アップル100%) 100円
- 紅茶 ベノア ダージリン・アールグレイ 100円
- 有機栽培霧島茶 おくゆたか 100円
- 日清 オニオンコンソメスープ 100円
- キリン一番搾り 300円
- 常陸野ネスト ホワイトエール 400円
- 神戸ワイン(赤) 300円
- QBBスモークチーズ 200円
- じゃがりこ サラダ味 100円

有機栽培霧島茶「おくゆたか」(一杯100円)
いがモバは「幻のお茶」といわれている(らしい)「おくゆたか」を注文。
春秋航空日本の「嬉野茶」の甘い味わいと違って、こちらは「渋み」や「深み」がありました。渋~いお茶が好きな方にはおススメです。無料のキットカットにもよく合います。
ビジネスマンは必見!13インチのノートも置ける

座席のデスクに13インチのノートパソコンも置ける
一通り機内サービスが終わると、各自の自由時間。ビジネスマンはノートパソコンをお使いの方も多いと思いますが、スカイマークの座席のデスクには13インチのノートパソコンもちゃんと置けました。
デスクはスライドして手前に引き出せるので、手元で作業ができます。
モバイラー歓喜!スカイマークは電源付の機材も

一部機材には座席下にコンセントがある
そして何より嬉しいのが、スカイマークの一部の機材には座席の下に電源コンセントがある事です。もちろん使用は無料。電池の残りを気にせずパソコン作業やスマホの充電が出来るので、本当に助かります。
その代わりにスカイマークには機内エンタメはありませんが、各自のスマホなどを充電しながら使えば良いので、とても合理的なサービスだと思います。これ、ぜひ国内LCCも導入してほしいと思います。

約2時間で鹿児島県上空へ
パソコン作業に夢中になっていると、あっという間に飛行機は鹿児島県の上空へ。桜島が遠くに見えます。
快適に鹿児島へ!満足度が高いスカイマークのフライト

午前10時すぎBC301便が鹿児島空港に到着
そして午前10時すぎ、大きな遅れもなくスカイマークBC301便は鹿児島空港に到着しました。預けていた荷物をピックアップすれば完了です。
実は、いがモバにとってスカイマークは「ポロシャツ時代」にサービスが悪化していたこともあって、積極的に利用するエアラインではありませんでした。(ごめんなさい)
ところが、今回約10年ぶりくらいに搭乗してみると、機内は電源付の座席が快適で、客室乗務員のサービスも良く、預け荷物や座席指定も込みでLCCより安く乗ることができるといった、とても満足度の高いフライトでした。
スカイマークにはこれからも「いつでも安くて快適なフライト」を提供してもらって、それに負けないようにLCCも切磋琢磨してほしいと思います。これからはスカイマークも要チェックですね!
